心の中で思っていることがあると、それが自然に顔の表情や動作として外面に現れる、という意味です。
『大学』の第2章をもとにした故事成語です。
曾子曰
曾子曰く、
曾子がいいました。
十目所視、十手所指、
十目(ジュウモク)の視る所、十手(ジュッシュ)の指さす所、
大勢に見つめられ、大勢に指さされていると思って、
其嚴乎。
其れ嚴(ゲン)なるかな。
畏れつつしむべきことだ。
富潤屋、徳潤身。
富は屋(オク)を潤(うるお)し、徳は身を潤す。
財産が出来ると家屋も立派になるように、内に徳が出来ると人の身体も潤いを受ける。
心広体胖
心広ければ体も胖(ゆたか)なり
(徳を身に付ければ)心が公明正大であると身体もゆったりとして落ち着いてくる。
此謂誠於中、形於外、
此れを中に誠なれば、外に形わると謂う。
こういうのが、内面で誠実にしておれば、外にもあらわれるということだ。
故君子必誠其意。
故に君子は必ずその意を誠にす。
そこで君子(教養人)は必ず自分の意捻(おもい)を誠実にするのである。