時代が変わってくれば、すべてのことも変わってくるものだ。往時の善が現代の善として通用するとは限らない、という意味です。出典は『韓非子』五蠧(ゴト)篇です。
故文王行仁義而王天下、
故に文王は仁義を行ないて天下に王たり、
つまり、周の文王は仁義の政治を行なって天下の王となったが、
偃王行仁義而喪其國。
偃王は仁義を行ないて其の国を喪(うしな)う。
偃王は仁義の政治を行なってその国を滅亡させたのである。
是仁義用於古、
是(こ)れ仁義は古(いにしえ)に用いられて、
つまりは、仁義は古代には役にたったが、
不用於今也。
今(の時代)に用いられざるなり。
今の時代には役に立たないということだ。
故曰、世異則事異。
故(ゆえ)に曰(いわ)く、「世(時世が)異なれば則ち事(事柄も)異なり、と。
だから言うのだ、『時代が変われば、する事も変わる』と言うのである。