(人間は、神秘的な大いなる世界における、ごくごく小さなものであるから)自分に与えられた運命を覚らない者は、教養人たりえない、という意味です。
論語の最終章の一文です。
『論語』の最終篇である尭曰篇(第二十篇)を出典としています。
知名、知礼、知言をもって論語の全章、500章を結びました。
子日、不知命、
子日く、命を知らざれば、
孔子が言いました、自分に与えられた天命(天が命じ与えた使命)を覚らない者は、
無以爲君子也。
以て君子たること無きなり。
教養人たりえない。
不知禮、
礼を知らざれば、
(人間は社会生活をしているのであるから)社会規範を身につけていない者は、
無以立也。
以て立つこと無きなり。
人の世を生きていくことはできない。
不知言、
言を知らざれば、
(人間は言葉を使うのであるから)言葉について理解できない者は、
無以知人也。
以て人を知ること無きなり。
真に人間を理解することはできまない。