わかりもしないで意見を言うのは、自分の無知をさらけ出すようなものであり、わかりながら言わないでいるのは不誠実だ、という意味です。
『韓非子』の第1章:初めて秦に見(まみ)ゆ、の最初に出ている言葉です。
臣聞、不知而言不智、
臣聞く、知らずして言うは不智、
私め、わかりもしないで意見を言うのは自分の無知をさらけ出すようなものであり、
知而不言不忠。
知りながら言わざるは不忠。
わかりながら言わないでいるのは不誠実だ、と聞いております。
為人臣不忠、當死、
人の臣と為りて不忠なるは、死に當(あ)たり、
臣下でありながら誠実でないのは死罪に当たり、
言而不當、亦當死。
言いて當(あ)たらざるも亦た死に當(あ)たる。
意見を言って間違っているのもやはり死罪に当たるでしょう。
雖然、臣願悉言所聞、
然りと雖も、臣願わくは悉(ことごと)く聞く所を言わん、
とは言え、私め聞き知るところを残らず申し述べましょう、
唯大王裁其罪。
唯(た)だ大王其の罪を裁(サイ)せよ。
罪に当たるかどうかは、大王さまのご裁決にお任せいたします。