【魯】と【魚】、【章】と【草】は字形が似ているので、書き誤りやすい例として並べられたものです。
間違いやすい字を並べた四字熟語は【魯魚章草】のほかに
【魯魚亥豕:ロギョガイシ】
【魯魚帝虎:ロギョテイコ】
【魯魚陶陰:ロギョトウイン】
【烏焉魯魚:ウエンロギョ】があります。
以上を指して
【魯魚之謬:ロギョのあやまり】という四字熟語もあります。
手書きの場合は、書き癖などから結構似た様な字になるものは多かったのだろうと思います。
『呂氏春秋』に
ある史官が「己亥(キガイ)渉河(ショウカ)」。すなわち「己亥〈つちのとい〉の年、河を渉〈わた〉る)」と書いてあるのを
「己」を「三」、「亥」を「豕(ぶた)」と読み、その誤りを孔子の弟子の子夏(しか)が「三匹の豚などという年号はない」と指摘したということが記載されていまして、この故事から、【三豕渉河:サンシショウカ】、【三豕渡河:サンシトカ】の四字熟語が生まれました。
いま使っている漢字にも、紛らわしいのは随分ありますよ。
例えば
『哀』と『衰』、
『委』と『季』、
『烏』と『鳥』、などです。
昔からの覚え方があるものもあります。
『瓜』と『爪』は、「瓜(うり)に爪(つめ)あり、爪(つめ)に爪(つめ)なし」と覚えます。
『巳』と『己』と『已』は、「み(巳)は上に、おのれ(己)・つちのと(己)下につき、すでに(已)・
やむ(已)・のみ(已)、なかばなりけり」と覚えます。
今日10月28日は、24年度2回目の漢字検定が全国一斉で行われました。
1級の四字熟語の問題で【カイロウドウケツ】、【ドウギキョカツ】を書きなさいというのが出ました。
いずれもこの『今日の四字熟語』、【No.95 偕老同穴】、【No.124恫疑虚喝】で取り上げました。
『今日の四字熟語』も、漢検1級のレベルになりました。