読書・勉学をするのに好都合な三つの余暇(自由に使える時間)のことを表しています
一年のうちでは冬、一日のうちでは夜、気候では雨降りをいいます。
出典は『三国志』魏(ギ)志・王肅(オウシュク)伝の注です。
中国三国時代(A.D.220~280)、魏の大司農(ダイシノウ:今の財務大臣)董遇(トウグウ)が、その弟子に教えた勉強法です。
董遇は、弟子に最初から教えようとせず、まず自分で書物を熟読すべきことを説きました。
『読書百遍 義自(おの)ずから見(あら)わる』
まず書物を百回繰り返して読め。百回読めば自然に理解できるようになる
と弟子たちに教えました。
弟子の一人が「私には、書物を百回も読む暇がありません」と答えました。
すると董遇は「暇がないことはないでしょう。三余にしなさい」と言いました。
三余とは何ですかとの問いに、
冬は歳(とし)の余、夜は日の余、陰雨は時の余なり
1)冬は一年の余り、
2)夜は一日の余り、
3)雨降りは時の余りである
と答えました。
この話は「董遇三余」とも呼ばれています。
余は「余暇」の意味です。自由に使える時間と言う意味です。
「晴耕雨読」が生活の基本であった当時、
農作業の忙しくない季節である冬と、
一日のうちでは夜と、
雨降りの時が
余暇になります。
暇がないと騒ぐのは、今も昔も勉強したくない者の言い訳のようです。
10月27日から11月9日までの文化の日を挟んだ2週間は読書週間です。