燕や雀のような小鳥には、鴻鵠(コウコク:おおはくちょう)の遠大な心はわからない。
小人物には大人物の志(遠大な心)はわからないという例えです。
また、英雄や 大人物は大志を抱いているという意味にも用いられます。
【燕雀鴻鵠】 の四字熟語は、秦王朝打倒の最初の旗上げ(B.C.209年)をした陳勝(チンショウ)が言った言葉です。出典は『史記』陳渉(チンショウ)世家(セイカ)です。
陽城(ヨウジョウ)の人陳勝、字は渉(ショウ)。
陽城の人、陳勝は字を渉と言った。
少(わか)きとき、人と傭畊(ヨウコウ)す。
若いときは他の人と一緒に雇われて耕作をしていた。
畊(コウ)を輟(や)めて隴上(ロウジョウ)に之(ゆ)き、悵然(チョウゼン)たること
久しうして曰く、
ある時、耕作の手を休め、畑の小高い所に行き、長い間嘆いた様子を見せて、こう言った。
「苟くも富貴とならば、相ひ忘るること無からん」と。
「もし金持ちで身分の高い人物になったら、あなたのことを忘れないようにしよう」
傭者笑ひて曰く、
雇われ人夫は笑ってこう言った、
「若(なんじ)傭畊を為す、何ぞ富貴とならんや。」と。
「君は雇われて耕作などしている、どうして金持ちで身分の高い人物になれようか」
勝大息して曰はく、
陳勝はため息をついて嘆きながら、こう言った、
「嗟呼、燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや」。
【ああ、ツバメやスズメのような小鳥に、どうして大鳥の志がわかろうか】。
史上「陳勝呉広の乱」として秦王朝滅亡のキッカケをつくった事件として夙(つと)に有名であります。
この乱は、ある意味烏合の衆の集まりであったため、六カ月で鎮圧されてしまいました。
しかしこの反乱の火種は、各地に飛び火し、劉邦と項羽を目覚めさせ秦王朝崩壊、漢王朝成立へと時代は目まぐるしく進んで行きました。
いまから2200年ほど前の出来事です。
10月25日 都知事辞任、新党結成を宣言なさいました。
なにやら、暗示的なものを 漂わせているように思われますが、大昔の事です。気になさらず。
都知事! 個人的には応援してます。