天下の憂いに先んじて憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ、を四字熟語にしたものです。
政治家の基本的な心構えは、「国民の心配事は真っ先に政治家が心配し、それを取り除き、国民が楽しんだ後に政治家も、その楽しさのおこぼれを頂戴する」と言うことであったようです。
北宋の政治家、范仲淹(ハンチュウエン)が挫折して地方に左遷されてしまい、失意の中で岳陽楼(ガクヨウロウ)に登って洞庭湖を眺めた時、その雄大な風景に感動しました。そうして、政治家は常に国民のことを真っ先に憂えるべきだと言うことに気づき『岳陽楼の記』を著しました。
日本三名園の一つ『岡山・後楽園』は当初、岡山城の後ろにあるので「後園」と呼ばれていたそうですが「先憂後楽」の精神から「後楽園」と改称されたようです。また東京の「小石川・後楽園」もそのようです。つまり『天下の憂いに先んじて憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ』に因んで命名されたとか。
国民の声『増税する前に、やることがあるだろう』を実行するのが、将に現代版『先憂後楽』かと思います。