自分の過失を改めることをためらわない。過失はただちに改める、ということです。【吝】は、ぐずぐずすること。出典は『書經』仲虺之誥(チュウキのコウ)です。
【吝】は「文+口」から出来た会意文字です。「文」は人の胸にいれずみを書き加えた字として作られました。ふみ・あや・かざりの意味があります。「口」は祝詞を入れる容れ物です。凶事(キョウジ)のときの儀礼に関する字として作られました。おしむ・やぶさかの意味があります。
殷の湯王が夏の桀王を追放した後、心安んじなかった時、湯王の左の宰相:仲虺が王に告げた言葉です。
用人惟己、
人を用ふるは惟(こ)れ己のごとくにし、
他人のすぐれた意見を取り入れることは、あたかも自分の意見のようにし
改過不吝
過(あやまち)を改むるに吝(やぶさ)かならず
自分の過ちを改めることに、憚(はばか)ることはありません。
参考までに『論語』の【過ち】関連の言葉です。
No.2980【過ちては則ち改むるに憚ること勿かれ】
http://www.fukushima-net.com/sites/meigen/3475
No.2697【過ちを弐(ふたた)びせず】
http://fukushima-net.com/sites/meigen/3144
No.2696【過ちを観て、斯(ここ)に仁を知る】
http://fukushima-net.com/sites/meigen/3143
No.2637【過(あやま)ちて改めざる、是れを過ちと謂う
http://fukushima-net.com/sites/meigen/3075
No.2614【小人の過や必ず文る】
http://fukushima-net.com/sites/meigen/3048