一斗の酒を飲みながら、詩を百首作るという意味で、たくさんの酒を飲みながら、たくさんの詩を作った李白のことを杜甫が『飲中八仙歌』のなかで、ほめたたえた言葉です。
李白は、盛唐の詩人です。字は太白。号は青蓮居士。
杜甫とともに最高の詩人とされ、奔放で変幻自在な詩風から、『詩仙』と称されています。
李白が44歳、杜甫が33歳の時洛陽で一緒になり、その後一年余り行動を共にしました。
『飲中八仙歌』は、7言×22句に8人の吞兵衛詩人を詠っています。
その中で、李白には4句費やしています。
李白一斗詩百篇
李白は一斗 詩百篇
李白は一斗の酒で 百首の詩。
長安市上酒家眠
長安市上 酒家に眠る
長安の居酒屋で 眠り込み。
天子呼来不上船
天子呼び来(きた)るも船に上(のぼ)らず
天子様の呼び出しに、船にも上れず。
自称臣是酒中仙
自(みずか)ら称す 臣は是(こ)れ酒中の仙と
言うに事欠き、のたまわく、わたくしめは酒中の仙人でございます、と。