人の本性は、(ちょうどあの水辺に生える)杞柳のようなもので(どちらにでも曲げることができる)という意味で、『孟子』告子章句上にある、言葉です。
告子曰、
告子曰く、
告子はいいました。
性猶杞柳也。
性は猶、杞柳(キリュウ:かわやなぎ)のごとく、
人の本性は、ちょうどあの水辺に生える杞柳のようなもので(どちらにでも曲げることができる)、
義猶桮棬也。
義は猶、桮棬(ハイケン:曲げ物)のごとし。
(仁)義はその杞柳で作る曲げ物のようなものだ。
以人性為仁義、
人の性を以て仁義を為すは、
それ故、人の本性によって仁義を行うというのは、
猶以杞柳為桮棬。
猶、杞柳を以て桮棬を為るがごとし。
柔らかい杞柳を曲げて、曲げ物を作るようなものである。