人の踏み行うべき道は、すぐそばにあるのに、人はどこか遠いところにあると思ってそれを求めようとする、と言うことを表しています。
また、人がするべき事は、実は簡単なことの中にあります。 ところが人は、するべき事を難しいことに求めようとする、と言い直してもよいようです。
するべきことのモデルはすぐそばにありますよ、とでも言うんじゃないかなと思います。
出典は『孟子・離婁(リロウ)章句上』です。
孟子曰、
孟子曰く、
孟子が言いました、
道在邇而求諸遠、
道は邇(ちか)きに在り、而(しか)るに諸(これ)を遠きに求む、
人の踏み行うべき道は、すぐそばにあるのに、
人はどこか遠いところにあると思ってそれを求めようとする、
事在易而求之難、
事は易(やす)きに在り、而(しか)るに之(これ)を難(かた)きに求む。
人のなすべきことはきわめて容易いことなのに、
人はこれをわざわざ難しいものとして考えている、
人人親其親長其長而天下平。
人々其の親を親とし、其の長を長とせば、而(すなわ)ち、天下平(たい)らかなり。
人々が自分の親を親として尊び、目上の人を、目上の人として敬えば、
世の中は、おのずから平和に治まるのだ。