散り落ちた華は、二度と枝にのぼって開くことはない。過ぎ去った時間は二度とは戻ってこないことのたとえです。
出典は、晋の陸機の4言×20句からなる『短歌行』です。
短い人生だから、時を惜しんで友達と度を過ごすことなく楽しもうと詠んだ詩です。
1 置酒高堂, 高堂(コウドウ)に置酒(チシュ)し,
立派な部屋で酒宴を開き
2 悲歌臨觴。 悲歌(ヒカ)して 觴(さかずき)に臨(のぞ)む。
さかづき傾け、悲しく歌う。
3 人壽幾何, 人壽(ジンジュ) 幾何(いくばく)ぞ,
人の寿命は どれほどだろう。
4 逝如朝霜。 逝(ゆ)くこと 朝霜(チョウソウ)の如し。
人生 朝霜のごとく。
5 時無重至, 時は 重ねて至る無く,
時は、かさねては来ない。
6華不再陽。 華は 再びは陽(ひら)かず。
華は、二度とは咲かない。