質樸さが文飾に勝ちすぎると野鄙になる、と言う意味です。
質は質樸、文は飾り、です。実樸さがそのまま現れると、野暮以外の何ものでもない。
その野暮臭さを取り除くためには洗練された教養が必要である、と孔子は言いたかったようです。
出典は『論語』雍也篇です。
【質】は、実質、本質などの意味で、人にとっての内面をいいます。
【文】は、あや、文様などの意味で、人にとっての外観をいいます。
子曰、質勝文則野。
子曰く、質、文に勝てば則ち野。
孔子が言いました、人としての中味が外見より強調されると、
その人柄は野暮と言うものだし、
文勝質則史。
文、質に勝てば則ち史。
逆に外面がよくって、中味がなさそうなのは誠実さが少ない。
文質彬彬、
文質彬彬(ひんひん)として
外面も内面も、ほどよく調和がとれている人が、
然後君子。
然る後に君子なり。
教養人と言えるんじゃないかね。
文、質の組み合わせだけで、人を見ますと、3つのパターンになるようです。
① 文(外観)が質(内面)より勝っていると ・・・・ ・・ 軽薄。
② 質(内面)が文(外観)より勝っていると ・・・・・ ・ 野暮。
③ 文(外観)と質(内面)の調和がとれている。 ・・・・ 教養人。