彼も人間であり、自分も人間である。他人にできて自分にできないことはない。
努力すれば凡人も、聖賢のようになることができる、と言うたとえです。
出典は、韓愈(カンユ)の『原毀:ゲンキ』です。毀(そしり)の原因について論じたものです。
聞古之人有舜者,其為人也,仁義人也。
聞く古の人に舜といふ者有り、其の人と爲りや、仁義の人なりと。
聞くところによると、古代に舜という人が居ました、
その人物のひととなりは、
仁という博愛の心があり、義という理性をもった人である、と。
求其所以為舜者、責於己曰、
其の舜為る所以の者を求め、己を責めて曰く、
その舜というすぐれた人を求めて、自分を責めて言うのである、
彼人也,予人也、彼能是、而我乃不能是。
彼も人なり,予(われ)も人なり、彼是を能くするに、我は乃ち是れを能くせず。
彼も人間であり、自分も人間である、
彼、舜はこの仁義を行うことができるのに、それなのに我はこれができない。
早夜以思,去其不如舜者,就其如舜者。
早夜に以って思い,其の舜の如くならざる者去りて,其の舜の如き者に就く。
朝晩これを思い求め、舜のようでない点を取り除き、舜らしいものに近づこうと努める。
『努力は必ず報われる』、池江璃花子さんが、お手本を示してくれました。