この上なく悪く、道理にはずれていることを表す四字熟語です。
【極悪】は、悪逆きわまりないこと。
【極】の字の【亟】の部分は、「二+人+口(祝詞を入れた器)+又(手)」とを
組み合わせた形です。
二は上下の間の狭い空間、その狭い場所に人を押し込めて、のろいの祝詞を入れた
器の「口」を置き、後ろから又(手)でその人を押しやるので、人を閉じ込めて
罰する方法を亟と言います。極はその場所を表す字です。
そこから「きわめる、きわまる、きわみ」の意味になりました。
【悪(惡)】の字の【亞】の部分は地下の墓室の平面形です。
そこは死者の住むところであるから、生きている人にとっては快い場所ではなく、
忌み謹(つつし)むべき所です。忌み謹む思いを「悪」といい「にくむ」の意味になりました。
【非道】は「道に非(あら)ず」で道理や人の道に反していることを表します。
【極悪非道】と類義の四字熟語を調べてみました。
1)【悪逆無道:アクギャクブドウ】 人の道にそむきはずれた、はなはだしい悪事。
【悪逆】は、人の道にはなはだしくそむいた悪事。【無道】は道理にはずれているさま。
2)【悪逆非道:アクギャクヒドウ】 人としての道にはずれた悪い行為。
3)【残酷非道:ザンコクヒドウ】 むごたらしくて、人の道に背いている行為。
【残酷】は、むごたらしいこと。
4) 【暴虐非道:ボウギャクヒドウ】 乱暴でむごたらしく、道にはずれた行為。
【暴虐】は、荒々しく乱暴で残虐な仕方で人を苦しめること。
5)【残忍酷薄:ザンニンコクハク】 他人に対する思いやりがなく、むごたらしいさま。
【残忍】は、むごい。むごたらしい。思いやりがない。
【酷薄】は、きわめて不人情なこと。
6)【大逆無道:タイ(ダイ)ギャクブドウ】道理や人の道を甚だしく踏みはずした行為。
【大逆】は、はなはだしく人道に反した罪悪。主君や親を殺すなどの人道に背く行為。