【山に躓(つまず)かずして垤(テツ)に躓(つまず)く。】
人は垤(テツ:ありづか)に躓くことはあるけれど、山に躓くことはない。小さなことを侮って失敗することを言います。
出典は『韓非子』六反(リクハン)篇です。
韓非子が、民を治めるには重い刑罰を用いるべきである、刑罰を軽くすると、人民は必ずこれを軽んじるであろう、」と主張したことに基づく言葉です。
故先聖有諺曰、
故に先聖に諺有りて曰く、
だから、昔の聖人の諺に、
不躓於山而躓於垤。
山に躓(つまず)かずして垤(テツ)に躓く。
山には躓かないが、垤(ありづか)に躓く。
山者大故人順之、
山は大なるが故に、人これを順(つつし)み、
山は大きいから、人は気を付けて用心するが、
垤微小故人易之也
垤は微小なるが故に、人これを易(あなど)ればなり。
垤は小さいから、人はこれを、あなどるためである。