立派な大人として、常に心掛けておくべき【九つの心得】がありますと、孔子が『論語』季氏篇で言っています。
その中の 8番目が 【忿には難を思う】です。
腹が立って、怒りを感じた場合、それを感じたままに発したら、どんな後難が起こるかを充分考えなさい、と言う戒めです。出典は『論語』季氏篇です。
1)視思明、
視(シ)には明(メイ)を思い、
物を見るときには、はっきり見ること、
2)聽思聰、
聴(チョウ)には聡(ソウ)を思い、
聞くときには、誤りなく聞き取ること、
3)色思温、
色(シキ)には温(オン)を思い、
表情を穏やかに保つ、
4)貌思恭、
貌(ボウ)には恭(キョウ)を思い、
態度は上品に、
5)言思忠、
言(ゲン)には忠(チュウ)を思い、
発言は真心を込めて、
6)事思敬、
事(ジ)には敬(ケイ)を思い、
仕事は慎重に、
7)疑思問、
疑(ギ)には問(モン)を思い、
疑わしいことは、質問し、
8)忿思難、
忿(フン)には難(ナン)を思い
見境なく怒らない、
9)見得思義、
得るを見ては義を思う。
利益を前にしたときは、正・不正を見極める。