人が年に応じて、愼むべき戒めのことです。
若いときは、色欲を、壮年期は、闘争欲を、老年期には、物欲を戒めよとの教えです。
【君子三戒】は『論語』季氏篇に出ています。
孔子曰く、君子に三戒あり。
1)少(わか)き時は血気未だ定まらず、これを戒むること色に在り。
若い時は、血の気のまだ定まらない時期なので、とかく情に動かされやすい。
情が最も激しく盲目的に陥りやすいのは男女の色恋であるから、若い人は特にこの点を
戒めなければいけません。
2)其の壮なるに及んでは血気方(まさ)に剛なり、これを戒むること闘(トウ)に在り。
年30もしくは40になると人間の血気も強くなり、自己の主張が確立する半面、
自我も強くなります。自己の主張が強くなるこの時は争いの起こる時でもあるので、
この時期の人は、特に他と争い闘うことを戒めなければいけません。
3)其の老いたるに及んでは血気既に衰う、これを戒むること得に在り。
老年になって来ると、人間の血気がすでに衰え、安逸を得ようとする心が盛んになってきます。
安逸はお金を沢山持っていると得やすくなります。ですから老年の人は特に物欲への戒めが
必要になります。
大昔も今も、人間はちっとも変っていませんね。
【色に在り】、【闘に在り】という戒めは、年と共に、薄らいでくるでしょうが、
【得に在り】という物欲・金銭欲はなかなか消えないですよね。
「欲」を「欲張り」という意味じゃなく、『ほしい』という、淡い切ない意味に置き換えますと
【金銭欲】は戒めの対象から外れるように思います。
お金がなけりゃ、高額医療も受けられません。
助かる命もお金がないために、失ってしまうことになります。
お金欲しい ・・・・・・・・・・。