墨子(墨翟;ボクテキ。B.C.470頃~B.C.390頃)は、「天下の利益」は平等から生まれ、「天下の損害」は差別から起こると考えていました。
孔子による、仁にもとづく愛は、親子、兄弟、家族、というように偏った愛である。偏愛であるとして批判し、
自他の別なく全ての人を平等に、公平に隔たりなく愛すべきであるという博愛主義を唱えました。
これが「兼(ひろ)く愛する」、すなわち「兼愛」であるとしました。
兼愛は互いの利益になることでありこれを「交利」としました。『墨子』兼愛中篇
兼相愛、交相利之法
兼(ひろ)く相(あい)愛(アイ)し、交々(こもごも)相(あい)利(リ)するの法は、
博く相愛し、互いに相利する法は、
墨子は言った、
他人の國を視るのにあたり,自分の國を見るようにする。
他人の家を視るのに,自分の家を視るようにする。
他人の身を視るのに,自分の身を視るようにする。
すべての人が自分を愛するように他人(ひと)を愛すれば、世の乱れはなくなる。
古代中国、戦国時代の墨子の『兼愛』です。