【私淑】するということは、師と仰ぐ人と直接会って指導を受けることができないので、著作などを通して学ぶことという意味です。尊敬したいと思える人が私淑したい相手となります。出典は『孟子』離婁下です。
孟子曰、
孟子曰く、
孟子が言いました、
君子之澤、五世而斬、
君子の澤(タク)は、五世にして斬(つ)き、
徳の高い人でも、その恩沢は五世代もすれば消えてしまう、
小人之澤、五世而斬、
小人之澤も、五世にして斬く。
普通の人でも、その恩沢は五世代もすれば消えてしまう。
予未得爲孔子徒也、
予(われ)未(いま)だ孔子の徒(と)たるを得ざりしも、
私は不幸にも生まれるのが遅く、孔子の直接の弟子にはなれなかったが、
予私淑諸人也。
予(われ)私(ひそ)かに諸(これ)を人に淑((よ)くするなり。
しかし私は幸いにも孔子のもろもろの恩沢を伝授された人から学んで、
孔子をひそかに慕うことができた。