よい評判が実力以上に立ってしまうのを、君子(教養ある大人)は恥とする、と言う意味です。
出典は『孟子』離婁下篇です。
苟爲無本、
苟(いやしく)も本なから爲(し)めば、
もしも水源が無かったら、
七八月之閒雨集、溝澮皆盈、
七八月の閒、雨集(ふ)りて、溝澮(コウカイ)皆盈(み)つるも、
七八月の頃に雨が降り続くと、田圃の大小の溝は忽ちいっぱいになるが、
其涸也可立而待也、
其の涸(か)るるや、立ちて待つべきなり、
いざ降りやめば、たちまち涸れはててしまうものだ
故聲聞過情、
故に聲聞(セイブン)情(ジツ)に過ぐるは、
だから、実際以上に盛んな空評判は、(水源の無い水と同様、決して長続きはせぬもので)
君子恥之。
君子之を恥ず。
君子はこれを恥として嫌うのである。
令和3年2月14日 記