月が満つれば必ず欠けるように、盛んなことは必ず衰えることのたとえです。出典は『史記』笵雎(ハンショ)蔡澤(サイタク)傳です。
秦:昭王の辞世における宰相の笵雎に、燕の遊説家、蔡澤が引退を促がした時の言葉です。
語曰、
語に曰く、
昔の諺に
日中則移、
日、中(チュウ)すれば則ち移り、
日が南中したのちは移り、
月滿則虧。
月満つれば則ち欠く、と。
月が満つれば必ず欠ける
物盛則衰、
物盛んなれば則ち衰うるは、
物盛んなれば、やがて衰えるのが
天地之常數也。
天地の常数なり。
天地の道理であります。
進退盈縮、
進退盈縮(エイシュク)、
あるいは進みあるいは退き、あるいは伸びあるいは縮む
與時變化、
時と変化す、
時とともに変化するのが、
聖人之常道也。
聖人の常道なり。
聖人の不変の道であります。