約束を確実に実行して信用を得ることを表す四字熟語です。
とくに政治家に対しての戒めのことばです。
【徙】は、「彳(道)+止(足)+止(足)」からできた形声文字です。「うつる」の意味があります。
出典は『史記』商君列伝です。
中国戦国時代、秦の孝公(コウコウ:B.C.361~B.C.338)に仕えた公孫鞅(コウソンオウ)が法律の改正をする際、国民の信頼を得ようと、市の南門に長さ三丈(約6.8メートル)の木を立て、それを北門に移した者には十金を与えると布告しました。
国民はこれを怪しんで、あえて移す者はいませんでした。そこで、また、移した者には五十金を与えると布告しました。
もの好きな一人が現れてその木を移すと、その場で五十金を与えて、布告に偽りのないことを明らかにしました。
こうして国が布告する法律は信用に足るものであることが国民に行きわたり、その後だされた法律は正しく施工されました。
原文の【よく徙(うつ)す者には五十金を予(あた)えん】から、【徙木之信(しぼくのしん)】という四字熟語が生まれました。
東日本大震災復興のための、復興予算は5年間で19兆円の予定です。
しかし報道によりますと、被災地の再建とかけ離れた事業にも使われているそうです。
官僚というシロアリが、掠(かす)め取っていくそうです。
条文を読むと「掠め取ってもいい」ように読みとれます。
東日本復興だけじゃなく、「日本の再生を図ることを目的」と書いてありますので、「霞が関文学」とやらで解釈すると、何でもありというようになるようです。
こうなりますと【徙木之信】以前の問題かと思います。
シロアリを駆除しないと、日本はボロボロになってしまいます。