大きな足を削って履(靴)に合わせるという意味から、本末を取り違えて無理に物事を行う喩えです。
出典は『淮南子』説林(ゼイリン)訓です。
民を養うための手段によって、養いの対象である民を害すること、を戒める意味で発せられました。
夫所以養而害所養,
夫(そ)れ養(やしな)ふ所以(ゆえん)にして養ふ所を害するは、
(民を)養うための手段によって、養いの対象である民を害するのは、
譬猶削足而適履,
譬(たと)へば猶(な)ほ足を削(けづ)りて履(くつ)に適し,
たとえて言えば足を削って靴にあてはめ、
殺頭而便冠。
頭を殺(そ)きて冠に便(べん)ずるがごとし。
頭をそいで冠に合わせるようなものである。
第二次大戦中、兵隊さんに支給される服や靴は、体に合わないものが多く、足に合わない靴をもらった兵隊さんが、取り換えにいったところ、「靴にお前の足を合わせるのだ!」 と怒鳴られたという話があったそうです。