教えを受けていた弟子が、師よりも優れたものになることのたとえ、と言われていますが、
本来は、学門を続けていくと、生まれつきの能力を越えた人物になることを言います。
紀元前4~3世紀、中国の戦国時代の思想家である荀子(ジュンシ)の言説をまとめた書物である『荀子』勸學篇が出典です。しかも冒頭に出ています。
荀子は、先輩の孟子(モウシ)の「性善説」に対し、「性悪説」を唱えた人です。
人間は欲望のままに行動して社会的混乱という「悪」を起こしがちである、だから学問による教化が必要である。これが荀子の考え方の基本のようです。ですから『荀子』の最初は学問の勧めともいう意味で「勸學」から始まっていまして、その次が「修身」となっています。
君子曰、學不可以已。
君子曰く、学は以て已(や)むべからず。
君子が言いました
青取之於藍、
青は之を藍より取りて、
青色は藍草から取るが
而青於藍、
藍よりも青く、
藍より青く
冰水爲之、
氷は水之を為(な)して、
氷は水からできるが
而寒於水。
水よりも寒(さむ)し、と。
水より冷たくなる。
このあと、学びに関しまして
君子は博く学びて日に己を參省すれば、
君子は博く学んで日々に何度も反省すれば、
則ち智は明らかにして行にも過ち無し。
智も明晰で行為にも過失が無くなる。
と記載されています。