文字通り、初めに心に決めた志を最後まで貫き通すこと、を表す四字熟語です。
【初志】は、最初に思い立ったときの気持ち、志をいいます。
【貫徹】は、貫き通すこと、やり通すことをいいます。
【初】は、「衣+刀」からできた会意文字です。刀(はさみ)で布を断ち切る意味です。それが衣服を
作る最初ですから「はじめ」の意味をもって作られました。
【志】は、「士(之の変形)+心」からできた形声文字です。「之」は行くの意味ですから、
心がある方向をめざして行くことを「志」といいます。
【貫】は、「毌(カン)+貝」からできた会意文字です。毌は貝を綴じて連ねた形で、「つらぬく」という
意味になりました。
【徹】は、「彳+」からできた形声文字です。「」のもとの形は「育」のところが「鬲:レキという器」、
「攵」のところが「又」でした。祭りの後の宴会のとき「鬲」を「又(手)」に持って並べ終わることを
【徹】といって、「ならべる」の原義となり、「とおす」、「つらぬく」の意味となりました。
【初志貫徹】そのものの四字熟語は見当たりません。
【初志】に関しまして、三国志・魏の陳思王(チンシオウ)曹植(ソウチ・ソウショク)が兄である文帝と
黄初六年(225年)に再会した折の感動を元に『黄初六年令』を作りました。その中に【初志】の語が見えます。
吾が往業(オウギョウ)を修め、吾が【初志】を守らんと欲す。・・・・・将に以て陛下の厚徳を全
(まっとう)し、孤の犬馬の年を究(きわ)めんとす。
【初志貫徹】はイケイケドンドンのイメージがありますが、もう少し控えめに【初心忘るべからず】が世阿弥の言葉として、【人口に膾炙】されています。しかし、世阿弥が謂わんとしたのは、少し意味が違います。
世阿弥61歳の時に書かれた『花鏡:カキョウ、または(はなかがみ)』の奥義として
然(しか)れば、當流に、萬能一德(マンノウイットク)の一句あり。
初心(ショシン)不可忘(わするべからず)。
此句、三ヶ條の口傳(クデン)在(あり)。
是非(ゼヒの)初心(ショシン)不可忘(わするべからず)。
時々(ジジの)初心(ショシン)不可忘(わするべからず)。
老後(ラウゴの)初心(ショシン)不可忘(わするべからず)。
此三、能能(よくよく)口伝(クデン)可爲(すべし)
世阿弥が口伝した【初心】は【芸の到達度合い】という意味だそうです。
芸が上達していく過程において、それぞれのレベルにおける【初心】があり、芸を上達させるためにはその【初心】を越えなければいけない。そういう意味の【初心】だそうです。
今日10月8日(10月の第2月曜日)は体育の日です。
2000年(平成12年)までは、東京オリンピックの開会式10月10日に因んで、その日(10月10日)を体育の日としていました。 晴れの特異日と言われてましたが、二番目でした。土曜日だったことが決め手になったそうです。