自分が百年たったら再び生まれてくるということは無い、という意味です。
だから、一日、一日、空しく過してよいわけはない、と続きます。出典は『言志後録』109条です。
百年無再生之我。
百年、再生の我(われ)無し。
百年たったらまた自分が生まれて来る、ということはない。
其可曠度乎。
其れ曠度(コウト)すべけんや。
だから、一日、一日、空しく過してよいはずはない。
『菜根譚』前集108条に同じような内容の記載があります。
天地有萬古、此身不再得。
天地には万古(バンコ)有るも、此の身は再び得られず。
天地は永遠に存在するが、この身は二度と生れてはこない。
人生只百年、此日最易過。
人生はただ百年、此の日最も過ぎ易(やす)し。
人生はただ百年にすぎないのに、月日のたつのは甚だしく早い。
幸生其間者、
幸いにその間に生まるる者は、
幸いに、この世に生まれた者は、
不可不知有生之樂、
有生(ユウセイ)の楽しみを知らざるべからず、
生きている楽しみを知らなければならないし、
亦不可不懐虚生之憂。
また虚生(キョセイ)の憂(うれ)いを懐(いだ)かざるべからず。
また、この人生を無駄に過ごしはせぬかと、気に留めておかなければならない。