【一点一画】は、正字体で書きますと、【一點一畫】となります。
漢字を構成する一つの点、一つの画ということですが、「一点一画も疎(おろそ)かにしない」、
「一点一画も忽(ゆるが)せにしない」という慣用表現があるように、丁寧に文字を書くことを言ってます。
出典は『顔氏家訓:がんしかくん』ですが、ここでは『説文解字』が、六書(指事・象形・形聲・會意・轉注・假借)に基づいて字源を明らかにするとき、一点一画を詳しく調べて、文字の誤用を避けた。
と記載されています。
『顔氏家訓』は北斉(南北朝時代の北朝の国:550年~574年)の顔之推(ガンシスイ)が著した家訓です。全7巻。590年頃に作られました。
若不信其説,
もしその説(設文解字のこと)を信ぜざれば、
もし、『説文解字』の説を信じないとすれば
則冥冥不知一点一画、
則ち冥冥(無知)にして一点一画を知らざれば、
無知ゆえに、一点一画の大切さがわかっていないならば、
有何意焉
何の意有らんか。
(一点一画が)何を意味しているか、さっぱりわからなくなってしまうだろう。
と記載されています。