国民に信用されなければ、政治・政府は成り立たないと言うことを表しています。
出典は『論語』顔淵篇です。
お弟子さんの子貢(No.375【切問近思】に子貢のことを少し紹介してます)が孔子に政治の事について聞きました。
子曰、足食、足兵、民信之矣。
子曰く、食を足(た)らし、兵を足らし、民をしてこれを信ぜしむ。
孔子が言いました、 ① 食料を十分にし
② 軍備を十分にして、
③ 人民には信頼を持たせることだ。
子貢曰、必不得已而去、於斯三者何先。
子貢曰く、必ず已(や)むを得ずして去らば、斯(こ)の三者に於(おい)て何(なに)をか先にせん。
子貢が言いました、どうしても止めなければいけない時、三つの中でどれを止めますか。
曰、去兵。
曰く、兵を去らん。
孔子が言いました、軍備を捨てる。
子貢曰、必不得已而去、於斯二者何先。
子貢曰く、必ず已むを得ずして去らば、斯の二者に於て何をか先にせん。
子貢が言いました、どうしても止めなければいけない時、二つの中でどれを止めますか。
曰去食。
曰く、食を去らん。
孔子が言いました、食料を捨てる。
自古皆有死、民無信不立。
古(いにしえ)より皆死あり、民は信なくんば立たず。
昔から誰にも死は在る、人民の信頼がなければ(国は)成立しない。