穀物の一粒一粒は、みな農民の苦労と努力の結果実ったものである。
唐の李紳(リシン)の詩、『農を憫(あわ)れむ』の中に【粒粒辛苦】が出て来ます。
李紳(780年~846年)。中唐の詩人。字は公垂。無錫の人。
農憫(農を憫れむ) 二首
春種一粒粟,
春に種(ま)く一粒の粟
春に、一粒種をまく
秋成萬顆子。
秋に成る萬顆の子(み)
秋に、万粒収穫す
四海無閒田,
四海閒田無けれど
天下に休田なけれども
農夫猶餓死。
農夫猶(な)ほ餓死するがごとし
民の暮らしは、飢えるのみ
鋤禾日當午,
禾(か)を鋤(す)きて日 午(ゴ)に當たり
草を鋤きとる、カンカン照り
汗滴禾下土。
汗は禾(か)下の土に 滴(したた)る
汗は滴る、土の上
誰知盤中餐,
誰(たれ)か 知らん盤中(バンチュウ)の餐(ソン)
知る人有るか、作れる人を
粒粒皆辛苦。
粒粒(りうりう)皆な 辛苦
一粒全てに、労苦の成果。
11月23日は「勤労感謝の日」です。
「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう日」として、1948年(昭和23年)に制定されました。
勤労感謝の日制定以前は、その年の収穫に感謝する宮中祭祀「新嘗祭」の日という祝祭日でしたが「国民の祝日に関する法律」の制定を機に「勤労感謝の日」となりました。