今まで誰もできなかったことを成し遂げることを表します。【破天荒:ハテンコウ】の訓読です。
【天荒】とは、①遠い果ての地、②未開の地、③人知の開けない地方、などの意味がありますが、
【天荒を破る】の場合は③の意味になります。
【天荒を破る】は、中国・宋代の説話集『北夢瑣言:ホクムサゲン』にでているお話です。
『北夢瑣言』は宋の孫光憲(ソンコウケン)の著。20巻。光憲は夢沢(ムタク)の北に住んだので「北夢」と言いました。
毎歳解送擧人、多不成名。
(荊州)毎歳挙人を解送するも多く名を成さず。
毎年、郷試(州で実施する科挙の予備試験)に合格した挙人を都へ送ったが、
多くは都での試験には合格しなかった。
號曰、天荒解。
号して天荒解と曰う。
(人々は)荊州から送られて来た受検者を天荒解(不毛の地からの解送者)と呼んだ。
劉蛻舍人、以荊解及第。
劉帨(リュウゼイ)、荊解を以て及第し、
劉帨が荊州の挙人として都での試験に合格した時
號爲破天荒。
天荒を破ると為す。
人々は『天荒を破る』と言った。