物事がぼんやりとしてはっきりしない様子を表します。
「曖昧」も「模糊」も同じ意味で、二つの言葉を重ねることによって、より強調したものです。
【曖】は、「日+愛」からの形声文字です。かげる、くらい、あたたか の意味があります。
「愛」と言う字は、立ち去ろうとして後に心がひかれる人の姿を文字化したものです。
「愛」を共通に持つ字としまして
「僾:アイ」:おもに人の状態にたいして、ほのか。
「噯:アイ」:あたたかい息づかいから、おくび。
「薆:アイ」:草木の茂るさまから、かくす、くらい。
【昧】は、「日+未」からの形声文字です。よあけ、くらい、おろか の意味があります。
【曖昧】は、ある状態を表す言葉で擬態語と言われているものの一つです。
「曖:アイ」+「昧:マイ」は「イ」でおわる畳韻(ジョウイン)語と言われています。
【模】は、「木+莫」からの形声文字です。かた、のっとる、もよう の意味があります。
【糊】は、「米+胡」からの形声文字です。
【模糊】も「模:モ。Mo」+「糊:コ。Ko」の「o」でおわる畳韻(ジョウイン)語です。
中国古典で四字熟語としての【曖昧模糊】の使用例は見つかりませんでした。
熟語としての【曖昧】、【模糊】は使用例があります。
類義の四字熟語としまして
【朦朧模糊:モウロウモコ】、【有耶無耶:ウヤムヤ】
対義の四字熟語としまして
【明明白白】、【一目瞭然:イチモクリョウゼン】があります。