秋の十五夜の名月が雨や曇りで見られないことを言います。
秋は新暦の8月、9月、10月をいいます。
それぞれ、初秋(ショシュウ)・中秋(チュウシュウ)・晩秋(バンシュウ)
あるいは、孟秋(モウシュウ)・仲秋(チュウシュウ)・季秋(キシュウ)ともいわれます。
漢字の孟・仲・季は兄弟の年の順を表す場合に用いられ、孟は年長者、仲は真ん中、季は末っ子を表します。
今日 9月30日は【中秋の名月】です。 大型の台風が来ています。
【名月】だの【無月】だの暢気(のんき)なことを言ってる場合ではありませんが、
月の出 17:14。 月の南中時 23:45。 月の入り 5:26(10月1日)。です。
秋の真ん中である9月を仲秋といいまして、その仲秋の満月を【中秋の名月】と言いまして表現は【中】を使います。ですから【中秋の名月】は一年に一度、今年であれば今日だけのことを言います。
【仲秋の名月】と言いますと、9月はどの月も趣があって名月と呼ぶのに相応しいということで、
新月(実際には月は見えません)~晦(つごもり:つきこもりといいまして、これも月は見えません)のそれぞれの月を言います。
くどいようですが、【中秋の名月】と【仲秋の名月】は違いますよ、ということです。
【中秋玩月:チュウシュウガンゲツ】 中秋の名月を楽しむこと、を表す四字熟語もあります。
中秋の名月を鑑賞することは古代の中国から伝わってきました。
奈良時代には宮中などで月見の宴を開いていたそうです。
また、月を神聖なる神としてあがめ、五穀豊穣を祝い感謝する祭りをしていました。
お月様を見ますと、ウサギが餅をついているように見える部分があります。
月にウサギという発想、これも古代中国からです。
【玉兎銀蟾:ギョクトギンセン】と言う四字熟語もあります。これは月にウサギとヒキガエルがいるということで、月を表しています。
白居易の
『八月十五日夜、禁中(キンチュウ)に独り直(とのい)し、月に対して元九(ゲンキュウ)を憶(おも)ふ』
という詩に、中秋の明月(名月)を見ながら、左遷されて湖北の江陵にいる親友の元九(元稹:ゲンジン)を思って、七言律詩を作りました。中でも3句目と4句目が特に有名で、『源氏物語:須磨の巻』や
『能:三井寺』などに引用されています。
三五夜(サンゴヤ)中(チュウ) 新月の色 八月十五夜 天に輝く月の色よ
二千里(ニセンリ)外(ガイ) 故人の心 二千里離れた 旧友の心よ。