人間は最も口を慎まねばならない、という意味です。『言志録』189条
人最當愼口
人は最も当に口を慎むべし。
人間は最も口を慎まねばならぬ。
口之職兼二用
口の職は二用を兼ぬ。
口は二つの職務を持つ。
出言語、納飲食、是也。
言語を出(いだ)し、飲食を納(い)るる是なり。
一つは言葉を発し、今一つは飲食を取り入れる。
不慎於言語、足以速禍、
言語を慎しまざれば、以て禍を速(まね)くに足り、
人が言葉を慎まないと、禍を招くことがあり、
不慎於飲食、足以致病。
飲食を慎まざれば、以て病を致すに足る。
飲食を慎まないと、病気になることがある。
諺云、禍自口出、病自口入。
諺に云う、禍わざわいは口より出で、病は口より入ると。
諺にあるではないか「渦は口より出て、病は口より入る」とあるのは、
今述べた意味である。