日馬富士は
「横綱を自覚して、【全身全霊】で相撲道に精進します」と
口上を述べて決意表明しました。第70代横綱:日馬富士の誕生です。
【全身全霊】は、その人に備わっている身体力と精神力のすべて、と言うことを表す四字熟語です
中国古典に、この四字熟語は見当たりませんでした。
和製四字熟語かもしれません。【全身】という言葉も、身体を完全に保つという意味で使われている例は
『詩経』に在りましたが、【全身全霊】に使われている【全身】とは違います。
【全】は、腰をしめる革帯(かわおび)につる下げた宝玉の形を文字化した、象形文字です。
意味は、「まったく。すべてととのう。すべて。そろう」などです。
【身】は、妊娠してお腹の大きな人を横から見た形の象形文字です。
「身」は、「みごもる」の意味から、のち「からだ。みずから」の意味に用いられました。
「身」をふくむ四字熟語は
1) 【可惜身命:カシャクシンミョウ。あたらシンミョウ】 体や命を大事にすること。
2) 【身体髪膚:シンタイハップ】 からだ全体のこと。
3) 【即身成仏:ソクシンジョウブツ】 生きたまま仏になること。
4) 【不惜身命:フシャクシンミョウ】 命を惜しまないこと。
5) 【粉骨砕身:フンコツサイシン】 力の限り努力すること。
6) 【平身低頭:ヘイシンテイトウ】 ひたすらあやわること。
7) 【立身出世:リッシンシュッセ】 世間に名をあげること
【霊】は、もとの字は靈です。「靈」は、「霝:雨乞いの祈りを表す字」と「巫:雨乞いをする巫女」とを
組み合わせた会意文字です。のちに神霊にかかわることをみな霊というようになりました。
【霊魂不滅:レイコンフメツ】 人間の魂は肉体の死後も存在しているという考え方。
第70代横綱:日馬富士は、28日に明治神宮で横綱推挙式と奉納土俵入りを行います。