財産をたくさん持っている人は、損をするときにも莫大な損をする、という意味です。
出典は、『老子』第44章、『菜根譚』後集52条です。
『菜根譚』の解説を記載します。
多蔵者厚亡。
多く蔵(ゾウ)する者は厚く亡(うしな)う。
財産を沢山持っている人は、損をするときにも莫大な損をする。
故知富不如貧之無慮。
故(ゆえ)に知る、富は貧(まずしき)の慮(おもんぱか)り無きに如(しか)ざる。
だから、金持ちは、財産のない貧乏なな人が財産を失う心配がないのには、
及ばないことがわかる。
高歩者疾顚。
高く歩む者は、疾(はや)く顚(たお)る。
地位が高い人は、失脚することもはやい。
故知貴不如賤之常安。
故(ゆえ)に知(し)る、貴(き)は賤(いやしき)の常(つね)に安(やす)きに如かざるを。
だから、身分の高い人は、低い地位の人がいつも安心していられるのには、
及ばないことがわかる。