【私淑】とは、直接に会うことのできない人や個人を、心ひそかに敬慕し、その人の学問・人格などを見習い学んで自分を修養することを言います。『孟子』離婁章句下
孟子が、孔子に【私淑】したことが記載されています。『私淑』という言葉はここから生まれたようです。
孟子曰、
孟子曰く、
孟子が言いました
君子之澤、五世而斬、
君子の澤は、五世にして斬え、
徳の高い君子の恩沢は、およそ五代、百五十年もたてば消えてしまう、
小人之澤、五世而斬。
小人の澤も、五世にして斬ゆ。
普通の人の恩沢も、五代、百五十年もたてば消えてしまう、
予未得爲孔子徒也、
予(われ)未だ孔子の徒(ト)たるを得ざりしも、
私は、生まれるのが遅く孔先生の直接の弟子にはなれなかったが、
予私淑諸人也。
予私(ひそ)かに諸(これ)を人に淑(よ)くするなり。
幸いにも(その恩沢を伝えた)人から学んで、(ひそかに自分の身を修めて)
善くすることができたのは嬉しいことだ。