人間なら誰でも「あわれみの心」はあるものだ、という意味です。『孟子』公孫丑(コウソンチュウ)章句上篇にある有名な句です。
孟子曰
孟子曰く、
孟子が言いました、
人皆有不忍人之心。
人皆人に忍びざるの心有り。
人間なら誰でも「あわれみの心」はあるものだ。
例えば、よちよち歩きの子供が今にも井戸に落ちそうなのを見かければ、
誰でも「危ない!」と言って、助けるでしょう。
これが人間、本来的に持っている「あわれみの心」です。
【惻隠の心】、と孟子は言ってます。
この章には、『四端:シタン』と称しまして
① 【惻隠(ソクイン)之心】・・・仁の端(はじめ)なり。
あわれみの心が無い者は、人間ではない。
② 【羞悪(シュウオ)之心】・・・義の端(はじめ)なり。
悪を羞(は)じ、憎む心が無い者は、人間ではない。
③ 【辞譲(ジジョウ)之心】・・・礼の端(はじめ)なり。
譲りあう心が無い者は、人間ではない。
④ 【是非(ゼヒ)之心】・・・・・智の端(はじめ)なり。
善し悪しを見分ける心が無い者は、人間ではない。
の記載があります。