ひまな時でも、いたずらに時を過ごさないようにふだんから心がけていれば、多忙な時に、そのことが役に立つ、という意味です。『菜根譚』前集86條

　　閑中不放過、
　　閑中（カンチュウ)に放過（ホウカ）せざれば、
　　　　　ひまな時でも、いたずらに時を過ごさないようにふだんから心がけていれば、

　　忙処有受用。
　　忙処（ボウショ）に受用（ジュウヨウ）有り。
　　　　　多忙な時に、そのことが役に立つ。

　　静中不落空、
　　静中（セイチュウ）に落空（ラックウ）せざれば、
　　　　　平安な時でも、ぼんやり過ごすことがないように心がけていれば、

　　動処有受用。
　　動処（ドウショ）に受用有り。
　　　　　いったん事が起こった場合にそれが役に立つ。

　　暗中不欺隠、
　　暗中（アンチュウ）に欺隠（ギイン）せざれば、
　　　　　人が見ていないところであるからといって、他人を欺（あざむ）き自分の非を
　　　　　隱すようなことをしないように心がけていれば、

　　明処有受用。
　　明処（メイショ）に受用有り。
　　　　　公（おおやけ）の場所で行動するときにそのことが役に立つ。