たとえ自分が愛している人でも、その人に悪があれば、その悪は見抜かなければならない。反対に、憎んでいる人でも、その人の行いに善があるならば、その善は認めなければならない。
愛憎の感情で、相手への判断を狂わせてはいけない、という意味です。『禮記』曲禮上
賢者狎而敬之、
賢者は狎(な)れて而(しか)も之を敬(ケイ)し、
賢者は人に対して、親しくなっても尊敬の気持ちを失わず、
畏而愛之。
畏(おそ)れて而も之を愛し。
尊敬しても愛を失わない。
愛而知其惡、
愛して而も其の悪を知り、
またその人を愛してもその欠点を見分け、
憎而知其善。
憎みて而も其の善を知る。
憎んでもその長所を認める。
積而能散、
積(つ)みて而も能(よ)く散(サン)じ、
また賢者は金品を蓄えても、使うべきときには惜しまず、
安安而能遷。
安(やす)きに安んじて、而も能く遷(うつ)る。
気に入った境遇に休むことは好きだが、それでも動くべき時には素早く動く。