ものごとは勢いが盛んになれば、衰えに向かう、という意味です。この後【不動は早く已(や)む】
と続きます。『老子』30章の一部です。
物壯則老。
物は壮(さかん)なればすなわち老ゆ。
物事は勢いがあればそれだけ衰えるのも早いものだ。
是謂不道、
これを不道と謂う。
このことを、道にかなっていない、というのだ。
不道早已。
不道は早く已む。
道にかなっていなければ早く滅びる。
『老子』30章全体は、老子の戦争論で、武力によって人を殺すのは下策、武力によって人を生かすのが上策、と述べられています。
今、世界は『コロナウイルス』と戦争状態です。日本もその局地戦に巻き込まれています。
加島祥造さんの 『道:タオ みえないパワー』からの『老子』30章を記載します。詩の形式になってます。
今の世の中はなんでも
すべて力ずくでやろうとする。
パワー・アップするのがよい、と思っている。
しかしね、
タオに深くつながる人は
こう警告するだろう
強い力で押しまくる時、かならず
しっぺ返しが来る。
戦争で荒らした後には、
いら草ばかり生える。
大軍が占領した国土には飢饉が起こる。
戦うことなんて
ほんとに自分を守る時だけでいい。
暴力に反抗して命を守る時だけでいい。
だからタオの人は
自分を守る力を誇らない。
何かに勝っても驕らない。
爭うのは
止むをえずするときだけだし
目的を遂げたって得意にはならない。
よく見てごらん
暴力や力ずくでしたことなんて
みんな長つづきしないじゃないか。