「しゃくとりむし」が体を屈めるのは、後で伸ばす時により長く伸びて前進するためであるという意味です。
他日の成功のために、しばらくの間不遇に耐え忍ぶことのたとえです。『易経』繫辭傳(ケイジデン)下。
尺蠖之屈。以求信也。
尺蠖(セキカク)の屈するは、もって信(の)びんことを求むるなり。
尺取虫が屈するのは、やがて身を伸ばさんがためであり。
龍蛇之蟄。以存身也。
竜蛇(リョウダ)の蟄(かく)るるは、もって身を存するなり。
竜や蛇が冬ごもりをするのは、それによってより長く身を保とうとするためである。
精義入神。以致用也。
義を精(くわ)しくし神に入るは、もって用を致すなり。
道理をくわしく研究して、その真髄に徹することを心がけるのは
他日これを社会に役立てようとするためである。