同じ天の下では一緒にいない、また同じ天の下では生かしておかないほど憎しみが強いことを表す四字熟語です。
【不】は打ち消しの意味を表す字です。花の蔕(へた)を表す字として作られたのですが、
「仮借(カシャ)」という用法で現用の「・・・・ず」となりました。【不】の詳細は【傲岸不遜】での
説明を見て頂けますか。
【俱】は、「人+具」の形声文字です。「具」は鼎(かなえ)を両手で持ち上げる形です。「人」が加わって、
ともにする、みな、という意味になりました。【俱】の横棒は3本です。「具」も正しくは目ではなく、
縦棒は横棒までいきます。常用漢字で目になったのです。
【戴】は、形声文字です。「十+戈」の部分が音を表します。「タイ/サイ」の音を持っています。
「裁判」、「栽培」、「夫婦善哉」、「車載」、は「サイ」の音を持つグループです。
【天】は、大(ひとを正面から見た字)の上の横棒は空(そら)を表します。象形文字です。
天の横棒はどちらが長いのですか、と聞かれることがあります。上が長いのが正解ですが、手書きでは
昔から上が短い「テン」が多くみられます。
【不俱戴天】は、儒学の経典『礼記:ライキ』に出てきます。
父の讎(あだ)は、與(とも)に共(とも)に天を戴(いただ)かず、
父の仇は、これと共に天を戴かない、(生かしておくものか)
兄弟(ケイテイ)の讎は、兵に反(かへ)らず
兄弟の仇を討つには、武器を取りに引き返すことをしない、(いつも武器を持っていて、
見つけ次第殺してやる)
交遊(コウユウ)の讎は、国を同じくせず。
友人の仇は、同じ国に住むことはできない。(同じ國に住まわせるものか、殺してやる)
『礼記』と言いますのは、四書(論語・孟子・大学・中庸)五経(春秋・詩経・礼記・書経・易経)のなかの一つで、儒学の謂わば教科書にあたる書物です。周末から秦・漢にかけての、最も大切な「道徳的規範」を集めたものと言われています。
人と人との永久不変の関係、君臣・父子・夫婦・兄弟・朋友の五つの関係を絶対視していることです。
ですから、この人間関係を破壊した行為には報復しなければいけないということで、「敵討ちの礼」とも思えるような【不俱戴天】という規範が正正堂堂と述べられているのだと思います。
今は、とても許しておけない奴という意味で【不倶戴天】は使われているようです。
中国当局が監修した’53年、’58年、’60年、’67年に発行した地図には「尖閣群島」「魚釣島」などと表記されていて、日中境界線も明らかに日本領土を示しているそうです。
【不倶戴天】! 世が世であれば、・・・・・・。