心が広く伸びやかであれば、身体もゆったりとして落ち着いてくると言う意味です。
もとは徳が身についている人の心身のあり方を言った言葉です。
出典は【大学】です。
【大学】は儒教の経書の一つで、南宋以降、『中庸』『論語』『孟子』と合わせて四書とされました。
もともとは『礼記』の一篇であり、曾子が作ったとか、秦漢の儒家によって作られた、とも言われて異論が多いです。
曾子曰、
曾子曰く、
曾子がいいました、
十目所視、十手所指、
十目(ジュウモク)の視(み)る所、十手(ジュッシュ)の指さす所、
多くの目にじっと見られている、多くの人から指さされていると思って、
其厳乎。
其れ嚴(ゲン)なるかな。
まことに厳正で恐るべきものである。
富潤屋、徳潤身。
富は屋(オク)を潤(うるお)し、徳は身を潤す。
財産が出来ると家屋を立派にし、内に徳が出来ると人の身体も潤いを受ける。
心広体胖。
心広ければ体も胖(ゆたか)なり
(徳を身に付ければ)心は広く大らかになり、身体もゆったりとして落ち着いてくる。