立派な大人は、自らの行動を慎み深くし、軽はずみな行動はしないという意味を表す四字熟語です。
『論語』学而(ガクジ)に出ています。
「君子」と言ってますが、とくに「聖人君子」を言っているわけではなく、
現代でいいますと、「立派な大人」、「一廉(ひとかど)の人物」、「一人前の大人」、「チャンとした人」などと理解していいんじゃないかと思います。
そういう人になるように、いろんなことを教えてくれているのが『論語』ですと、わたしは理解しています。
原文の読み下し文と口語訳は次のようになります。
子曰く、君子、重からざれば則(すなは)ち威(イ)あらず、学べば則ち固(コ)ならず。
君子は重々しくなければ威厳がない。学問をすれば頑固でなくなる。
忠信を主とし、己に如(し)かざる者を友とすることなかれ。
(まごころの徳である)忠と信とを第一にして、自分より劣ったものを友達にするな。
過(あやま)てば則ち改むるに憚(はばか)ること勿(な)かれ
あやまちがあればすぐ改めよ。
「あの人、なんか調子いいよな」と思われなければいいんです。
『重からざれば』ということで、変に威厳を持った態度をすると、とたんに煙たがられます。
そうならないためには、日頃から勉強して、正しい知識を身につけておかなければなりません。
何を勉強するのか、現代の我々にとっては『論語』です。
『論語』は人生の教科書ですと、わたしは思ってます。
『己に如かざる者を友とすることなかれ』を声高(こわだか)に宣言してはいけません。
友達なくしますからね。
自分の心のうちで思っていれば宜しいかと。
『過てば則ち改むるに憚ること勿かれ 』
間違いに気がついたら、すぐに訂正することです。
男がいったん口にしたことは、間違いであっても押し通せ、と
教えられている方がいらっしゃるかもしれませんが、
訂正したほうがよさそうです。