知識の狭い人は、ややもすると、自分の狭い考えにとらわれて、頑固者になりがちである。
学問によって知見を広め、広く柔軟な精神状態を保つようにすべき、ということが『論語』学而篇に出ています。
君子、と言いますのは、加地伸行先生の『論語のこころ』P127によりますと
君子を教養人(生涯を通じて知性と徳性とをともに磨こうとする人。)
小人を知識人(知的訓練をもって世の最高と勘ちがいしている人。
特に大学卒業生など高学歴者に多い)と現代日本語訳とした。
と記載されていました。
ですから、これを読んで頂いているあなたが「君子」なのではないでしょうか。
子曰、君子不重則不威。
子曰く、君子重からざれば則(すなは)ち威あらず。
教養人とはこうだ、重厚さすなわち中身の充実(誠実)がなければ、
人間としての威厳はない。
學則不固。
学べば則ち固(コ)ならず。
学問をしても堅固ではない。
主忠信、無友不如己者。
忠信を主とし、己に如かざる者を友とすること無かれ。
このように質(もと)の充実つまりはまごころを核とすることだ。
(そういう生きかたをする)自分と異なり、
まごころの足りない者を友人とするな。
過則勿憚改。
過(あやま)てば則ち改むるに憚(はばか)ること勿(な)かれ。
もし自分に過失があれば、まごころに従ってすぐにも改めることだ。
現代語訳は、加地伸行先生の 『論語』全訳注 講談社学術文庫 によるものです。