取り立てて欠点もないが、かといって長所というほどのものもない、いたって平凡である、という意味ですがこれを言っているのは、孔子です。『論語』微子篇
微子篇8章に、昔から、世を離れて隠れ棲んだ賢人七名について解説しているところがあります。
七名は、①伯夷(ハクイ)・②叔斉(シュクセイ)・③柳下恵(リュウカケイ)・④少連(ショウレン)・⑤虞仲(グチュウ)・⑥夷逸(イイツ)・⑦朱張(シュチョウ)・です。
孔子が評しています、そうして最後に自分を評して【可もなく不可もなし】と言っています。
①、② 志を曲げず最後迄辱めを受けなかったのは伯夷と叔斉だろう。
③、④ 柳下恵と少連、この二人は志を曲げて辱めを受けたが、言うことは道理に叶い
行いにも思慮分別があった。
⑤、⑥ 虞仲と夷逸、この二人は隠居して言いたい放題のことを云ったが、身の処し方は清廉で、
世の捨て方は時宜を得ていた。
⑦ 朱張については、孔子は何も言ってません。
我則異於是、
我は則(すなわ)ち是(これ)に異なりて、
私の場合は、彼等とは異なる
無可無不可。
可もなく不可も無し。
可もなく不可もない(至って平凡な人間だよ)。