【鏡は清を執りて事なし】の意味は、【鏡というものは、自分の表面をきれいに執り守って、外物をいかに映そうかと意を用いることはしない。美しいものも醜いものもありのままに映す。『韓非子』飾邪篇
故鏡執清而無事,
故に鏡は清を執りて事無ければ、
鏡は清い水を汲み取って静かに使えば、
美惡從而比焉
美惡從いて焉(ここ)に比し
美醜はありのままに映り、
衡執正而無事,
衡(はかり)は正を執(まも)りて事無ければ、
衡は正しく取って静かに使えば、
輕重從而載焉。
輕重從いて載に焉る。
軽重はありのままに計られる。
夫搖鏡,則不得為明;
夫れ鏡を搖るがせば、則ち明を為すを得ず、
鏡を揺すれば、はっきりと映すことができず、
搖衡,則不得為正,
衡(はかり)を搖るがせば則ち、正を為すを得ず。
衡を揺り動かすと正確であることはできない。