【灯火親しむべし】と訓読みされます。
涼しい秋の夜長は、読書を楽しむのに最適ですと言う意味の四字熟語です。
中唐の文豪韓愈(カンユ:字は退之(タイシ)。768年~824年)が、息子の符(フ)に学問の大切なことを話し、それには読書が一番であり、そして今灯火親しむ秋である。読書をしなさい。と言うことを込めて作った
「符 書を城南に読む」という詩の中に【燈火 稍(ようや)く親(した)しむべく】という形で出ています。
この詩は、五言×54句の長い詩です。
前半は、学問をすることの重要性を説き
8) 賢愚同一初 賢愚 同(とも)に初めを一にするも 同じスタートラインに立っても
23) 一為馬前卒 一は馬前の卒と為り 方や一兵卒
25) 一為公与相 一は公と相(しょう)と為り 方や宰相
27) 問之何因爾 之を問ふ 何に因りて爾(しか)ると これは何故だ
28 学与不学歟 学べると学ばざりしとか 学問をするかしないかだ
と その差の甚だしさを述べ
後半は、今まさに勉学・読書に最適な秋であることから
47) 時秋積雨霽 時秋にして積雨霽(は)れ 雨もあがった
48) 新涼入郊墟 新涼 郊墟に入る 涼しくなり始め、郊外の村に行き
49) 燈火稍可親 燈火稍(ようや)く親しむべく 燈火のもとで
50) 簡編可卷舒 簡編 卷舒(けんじょ)すべし 書物を開くがよい
と勧め、最後の2句
53) 恩義有相奪 恩義 相奪ふこと有り 愛と厳しさ、かたよりがちになる
54) 作詩勧躊躇 詩を作りて 躊躇を勧(はげ)ます 詩を作って、ためらう息子を励ます。
で結びとしています